第三孝
2003年度TVアニメ感想総評

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はじめに

今回、実作業が異様に大変なのでさっさと本題に入ります。
2003年度中、感想を書いた作品のベスト10を選出します。

1・評価対象は感想を書いた2003年度中に放送を終了したTVアニメ作品。
ただし、「君が望む永遠」は1クール十四話という変則構成の為、
「ヤミと帽子と本の旅人」は放送局の都合による休止の為、
それぞれ終了が年始にずれ込んだので、例外として評価対象とする。

2・現在正統な続編が、終了作から切れ間なく放送されている
「わがままフェアリーミルモでポン!」と「カレイドスター(第一期)」は
評価対象外とする。逆に続編放送中でも切れ間があり、
かつタイトルが変更されている「ダイバージェンス・イヴ」
「ロックマンエグゼ」は評価対象とする。

3・元々OVAである「CAPTAIN HERLOCK」、
CSで先行放送された「最終兵器彼女」「一騎当千」
「ぱにょぱにょデ・ジ・キャラット」は地上波放送用として
改変されていると判断し、評価対象とする。

4・評価はまず、10部門からなる部門賞を
それぞれ1〜10位選出し、1位に10点、2位以下に
それぞれ9・8・7……と点数を与えていく。
そして最終的に獲得点数を合計し、総合点順にベスト10を選出する。

5・各部門とその意図は以下の通り。
脚本・構成評価:脚本の意外性、整合性、全体構成を評価。
作画・演出評価:よい作画とよい演出は一体であるとの考えで評価。
声優演技評価:印象的な芝居、役の適格性を作品単位で評価。
主題歌・OPED・音楽評価:作中音楽とOPEDの完成度を評価。
独自性・作家性評価:画面の新鮮さ、企画の斬新さを評価。
コミュニケーションツール評価:世間での話題性、ファン間での盛り上がりを評価。
エロ・萌えサービス評価:性的、官能的場面の質量を評価。
クオリティー安定度評価:長期・短期での作品全体通じての安定度を評価。
キャラクター魅力評価:魅力的なキャラクターの質量を評価。
爆発度評価:一瞬のきらめき、瞬間的な燃焼度の高さを評価。

6・そして、2003年度エントリー作品一覧――

超ロボット生命体トランスフォーマー マイクロン伝説
ドラゴンドライブ
魔法遣いに大切なこと
出撃! マシンロボレスキュー
ボンバーマンジェッターズ
ヒカルの碁
MOUSE
ぱにょぱにょデ・ジ・キャラット
.hack//黄昏の腕輪伝説
ななか6/17
L/R
アソボット戦記五九
ヒートガイジェイ
キディ・グレイド
爆転シュートベイブレード Gレボリューション
ぷちぷり*ユーシィ
ロックマンエグゼ
ストラトス・フォー
WOLF’S RAIN
おジャ魔女どれみドッカ〜ン!
デジモンフロンティア
ギャラクシーエンジェル(第三期)
THE ビッグオー2nd
東京ミュウミュウ
ふぉうちゅんドックす
奇鋼仙女ロウラン
プリンセスチュチュ〜雛の章〜
機動戦士ガンダムSEED
らいむいろ戦奇譚
激闘! クラッシュギアT
電光超特急ヒカリアン
満月をさがして
ゲットバッカーズ
花田少年史
ガンパレード・マーチ
十二国記
真・女神転生Dチルドレン ライト&ダーク
ゴールドマッスル
スパイラル〜推理の絆〜
キ・ファイターテラン
天使な小生意気
プラトニックチェーン
D・N・ANGEL
カスミン
宇宙のステルヴィア
E’S OTHERWISE
スクラップド・プリンセス
キノの旅
エアマスター
ワンダバスタイル
DEAR BOYS
LAST EXILE
ファイアストーム
時空冒険記ゼントリックス
魔探偵ロキRAGNAROK
人間交差点
最終兵器彼女
TEXHNOLYZE
成恵の世界
GAD GUARD
HAPPY★LESSON ADVANCE
D.C. ダ・カーポ
高橋留美子劇場
ダイバージェンス・イヴ
住めば都のコスモス荘すっとこ大戦ドッコイダー
おねがい☆ツインズ
グリーングリーン
釣りバカ日誌
フルメタル・パニック? ふもっふ
まっすぐにいこう。
星のカービィ
神魂合体ゴーダンナー!!(第一期)
一騎当千
ヤミと帽子と本の旅人
Avenger
CAPTAIN HERLOCK
君が望む永遠
瓶詰妖精
BPS
高橋留美子劇場 人魚の森
円盤皇女ワるきゅーレ 十二月の夜想曲
藍より青し〜縁〜

(順不同)

以上ッ!! 82作品ッッッ!!!!
って、いくら何でも多過ぎだってーのっ!!

しかも10部門評価です。
前年、一部門で一位取っただけで総合10位に
食い込んでしまったアレのような事態を
避ける為に考えたんですが……無理あったかなぁ。
ま、嘆いても終わらないんで早速開始。

あ、一つ重要なことを言い忘れました。

評価は基本的に筆者の独断です。

1・脚本・構成評価

これに関してはよかったものを探すより、
悪かったのをフルイにかけた方が簡単だろう。
とりあえず、総集編だらけのアレとかアレは論外ってことで。

1位:ボンバーマンジェッターズ
2位:花田少年史
3位:おジャ魔女どれみドッカ〜ン!
4位:ぷちぷり*ユーシィ
5位:君が望む永遠
6位:おねがい☆ツインズ
7位:ヤミと帽子と本の旅人
8位:プリンセスチュチュ〜雛の章〜
9位:満月をさがして
10位:D・N・ANGEL

1〜3位は順当。どれみはシリーズ合わせれば
もっと上に行くんだろうけど、あくまで「ドッカ〜ン!」だけで評価。
4位以下はかなり苦しい……。
構成の確かさとラストのテンションを考慮してユーシィ。
原作をよく再構成した君望。前作に比べると多少落ちるおねツイ。
訳わかんないんだけど凄いことは確かなヤミ帽。
チュチュはまとめ方とか上手かった。満月もそう。
残り一枠はステルヴィアとかも考えたけど
DNは各話にバリエーションがあったから、それを考慮。

2・作画・演出評価

作画は安定度と最大値を合わせて評価する。
加えて演出との兼ね合い。

1位:フルメタル・パニック? ふもっふ
2位:LAST EXILE
3位:エアマスター
4位:住めば都のコスモス荘すっとこ大戦ドッコイダー
5位:機動戦士ガンダムSEED
6位:ヤミと帽子と本の旅人
7位:WOLF’S RAIN
8位:ぷちぷり*ユーシィ
9位:おジャ魔女どれみドッカ〜ン!
10位:ななか6/17

ふもっふだろうなぁ……神懸かってたもんなぁ、温泉。
ラスエグは典型的な「作画だけはよかった」アニメになっちゃった。
途中忘れてて、慌てて三位に食い込ませたのがエアマスター。
意識に上がることのない凄さなんだよなエアマスターは。
遊び心でドッコイダー。何だかんだ言ってもSEED。
ヤミ帽はとにかく全編美しかった。以下は安定度。
ドッカ〜ンは細田回は突出してたんだけど……。

3・声優演技評価

これ難しい……。
声優の入魂度を評価するという形になるかな。

1位:ボンバーマンジェッターズ
2位:機動戦士ガンダムSEED
3位:最終兵器彼女
4位:ギャラクシーエンジェル(第三期)
5位:ヒカルの碁
6位:十二国記
7位:スクラップド・プリンセス
8位:おねがい☆ツインズ
9位:おジャ魔女どれみドッカ〜ン!
10位:出撃! マシンロボレスキュー

1〜3位はすんなり決まったんだけど、それ以下がもう……。
主演が頑張っている作品はたくさんあるんだけど、
大抵足引っ張ってる人もいるんだよな……。
その中で、上手い人が揃っていて、情熱的に演技してて、
となるとこういう感じになるかなぁと。

4・主題歌・OPED・音楽評価

OPED映像の出来や、劇中音楽などとも総合して評価するが、
基本的にはいい歌を主題歌に据えた作品を選べばいいだろう。

1位:花田少年史
2位:エアマスター
3位:宇宙のステルヴィア
4位:機動戦士ガンダムSEED
5位:ヤミと帽子と本の旅人
6位:ボンバーマンジェッターズ
7位:超ロボット生命体トランスフォーマー マイクロン伝説
8位:成恵の世界
9位:ストラトス・フォー
10位:Avenger

冒頭で言ったことと真っ向反して、OP映像の出来のよさで花田。
いやだってあれは反則だよ……。
次に歌と映像の完璧なコラボレーション、エアマスター。
3位は逆に歌のよさだけでステルヴィア。映像は最後までバンクだし。
SEEDは主題歌を1クールで切り替える戦略が商業的に大成功。
だが曲としては「あんなに一緒だったのに」の印象が深い。
以下、作品のテーマと主題歌が上手くリンクしている作品が続く。
アベンジャーは歌詞字幕があればもっと評価上がったな……。

5・独自性・作家性評価

これに関しては、とにかく斬新なのを挙げていけば。

1位:TEXHNOLYZE
2位:キノの旅
3位:星のカービィ
4位:プラトニックチェーン
5位:人間交差点
6位:時空冒険記ゼントリックス
7位:Avenger
8位:花田少年史
9位:ふぉうちゅんドックす
10位:ゴールドマッスル

意外と悩んだ。1位2位は順当。
CG作品でも、子供向けとして挑んだカービィの方が
実験作なプラチェよりも上と判断。
ゼントリックスは話自体には目新しさがない。
企画の斬新さではゴールドマッスルは間違いなく
トップなんだけど……さすがにそれだけじゃなぁ。

6・コミュニケーションツール評価

1位は考えるまでもなくアレだ。
問題は2位以下だなぁ、完全に独断で判断するしかないけど。

1位:機動戦士ガンダムSEED
2位:おねがい☆ツインズ
3位:GAD GUARD
4位:D.C. ダ・カーポ
5位:君が望む永遠
6位:宇宙のステルヴィア
7位:東京ミュウミュウ
8位:ヒカルの碁
9位:藍より青し〜縁〜
10位:キディ・グレイド

SEEDの話題性はエヴァ以降では最高レベル。
語ってる内容の良し悪しはともかくとして。
あくまでもアニメファンの視点で考えると、
2位は前作の余勢もあっておねツイかなぁと……。
3位は思いっきり悪い意味で話題騒然。
それ以下もアニメファン視点で評価。
唯一ヒカ碁だけ一般視点を考慮してこの位置に。
ただこれ、話題になったのは原作であって、
アニメがどこまで一般に認知されていたかは疑問もある。
ベイブレは一般的には旬過ぎてたので圏外。

7・エロ・萌えサービス評価

筆者の趣味だけでなく、きちんと技法的なよさや
製作者の腹の据わり具合なんかも考慮したい。

1位:ヤミと帽子と本の旅人
2位:グリーングリーン
3位:神魂合体ゴーダンナー!!(第一期)
4位:一騎当千
5位:フルメタル・パニック? ふもっふ
6位:ダイバージェンス・イヴ
7位:キディ・グレイド
8位:機動戦士ガンダムSEED
9位:らいむいろ戦奇譚
10位:MOUSE

ヤミ帽のエロはテーマと直結するものであって、
あらゆる意味で他とは一線を画す。出来も破格。
グリグリはOPのアイディアが凄い。本編での割り切り方もよし。
胸の揺れるアニメ数あれど、質と量でゴーダンナーが一歩上。
一騎当千は失禁以外はとりあえず服破いてパンツ見せとけば
いいって感じで、フェチっぽさに欠いたのがマイナス。
その点、ふもっふはアイディアとフェチズム溢れる
温泉編だけでこの位置。
イヴはEDはよかったんだけど、本編が第一話以降
失速続きだったのが痛い。キディもサービスに不安定さがあった。
SEEDは下手なエロアニメよりエロかった。
らいむとマウスは表現が直接的で風情(?)に欠いた印象。

8・クオリティー安定度評価

これ、今までの部門でも結構考慮に入れちゃってて、
今更な感じするんだが、あくまでも作品全体が
どれだけ高値安定していたかを考えるってことで。
当然1クール作品と2クール以上の長期作品では、
長期作品の方が評価は甘くなります。

1位:おジャ魔女どれみドッカ〜ン!
2位:ボンバーマンジェッターズ
3位:LAST EXILE
4位:エアマスター
5位:ギャラクシーエンジェル(第三期)
6位:ヒカルの碁
7位:花田少年史
8位:住めば都のコスモス荘すっとこ大戦ドッコイダー
9位:フルメタル・パニック? ふもっふ
10位:スクラップド・プリンセス

おジャ魔女はただでさえ作画・演出・脚本と
毎回安定しているのに、ドッカ〜ンでは
細田回による平均値の底上げがあった。
ジェッターズの4クール高値安定も素晴らしい。
3〜5位は2クール高値安定。
ヒカ碁は一年以上の長丁場をよく安定させていた。
花田を挟んで8〜9位は1クールを奇跡のように
駆け抜けた作品。棄てプリはこの中だと一歩落ちるか。

9・キャラクター魅力評価

これは完全に独断と偏見以外では評価下せないな……。
つーか魅力的なキャラって作画・声優・萌えなんかが
組み合わさったものだから、上記部門と被りそうな気が。

1位:機動戦士ガンダムSEED
2位:ぷちぷり*ユーシィ
3位:ヤミと帽子と本の旅人
4位:キディ・グレイド
5位:超ロボット生命体トランスフォーマー マイクロン伝説
6位:エアマスター
7位:ボンバーマンジェッターズ
8位:宇宙のステルヴィア
9位:神魂合体ゴーダンナー!!(第一期)
10位:出撃! マシンロボレスキュー

あれ、あんまり被ってねーや。
基本的に、原作付きや続編ものは「その作品がキャラを作ったのではない」
ということで減点。ただし、明らかに声優や新たな演出で
キャラの魅力を引き出しているなら評価する。
ヤミ帽の葉月とか、エアマスターの崎山とかね。
マイ伝はスタースクリーム一点買い。
ゴーダンナーは静流一点買い。
ステルヴィアやMRRはキャラ数異様に多いわりに、
魅力的なキャラとなると限られてくるのが惜しい。

10・爆発度評価

さて、これはもうインパクトが全てなので、
他の要素は一切無視。

1位:激闘! クラッシュギアT
2位:爆転シュートベイブレードGレボリューション
3位:電光超特急ヒカリアン
4位:アソボット戦記五九
5位:東京ミュウミュウ
6位:ゴールドマッスル
7位:超ロボット生命体トランスフォーマー マイクロン伝説
8位:魔法遣いに大切なこと
9位:住めば都のコスモス荘すっとこ大戦ドッコイダー
10位:ドラゴンドライブ

土下座、猿、棋士、800億、空から剣……などなどなど、
瞬間的な面白さではクラギに敵うものはなし。
次いで地球壊したりのベイブレG、いきなりシリアスに
なったりしたヒカリアン、変な方向に開き直ったアソボット。
ミュウミュウは石野聡作監回の凄まじさ。
ゴールドマッスルはある意味毎回凄かった……。
安定度と爆発度で両方入っているドッコイダーは、
存在そのものが爆発的であったと言える。シスプリには参った。

そして――

いよいよ集計結果の発表です。
自分で点数付けときながら、数が多過ぎて
自分で予想がつかないのは去年と同じ。

2003年度TVアニメベスト10結果発表はこちら!!