赤マルジャンプ2001 SUMMER

表紙
葉のあの場違いなカットは何? 手違いでもあったのか?

秋の三大アニメ大特集!!
ヒカルの声が川上とも子、ちょっと意外。男の子役出来る人だったっけか?
で、自称「リョーマの魅力が加速するスタイリッシュアニメ」のセル画初公開。
……何でこれはこんなに原作似なのよ? 違うだろ、これこそアニメ用にデザインをいじるべきだろ……。

夏色グラフィティ
河下水希の描く女の子はやはり可愛い。可愛いんだが、それだけで作品が成立するほど
魅力的かというと、ちょっと疑問符が付く。こういうびっくりするほど何にもない話を
支えるにはヒロインの性格その他があまりにもステレオタイプ。
ボーイズビーやサラダデイズのようなオムニバスの一編としてならともかく、読み切りで
これだけポンと渡されても評価に窮するというのもある。
結局、「女の子が可愛い」以外の感想は生まれないのであった。

100
やりたいことはわかるが画力のなさが足を引っ張る。
ヒロインが怪我した時のあの表情、あれはないだろ。色々とぶち壊しだよ。
ストーリー的にも最後主人公がケンケンで100M走して勝っちゃうってのはあまりにも……。

現場の鬼
「加護亜依なんて大キライだあああ!!」
これだけだな、見所は。

Be Happy! ―男心と夏のソラ―
問題作。ジャンプでこういうネタを出してきたのはかずはじめ以来か。
しかしかずはじめと決定的に違うのは、終始一貫爽やかだということ。
同性の友人に心惹かれる夏、というのは話としてはよくあるもの。しかしこの作品は
同性に惹かれることに対して一切、異常だとか何とかそういう深刻な方向へ行かない。
あくまで爽やかに、思春期の通過儀礼としての同性愛を描写し、きちんとした
少年マンガ的成長物語として成立させている。見事。
こういう作家がジャンプで大成するか否かは微妙なところだが、なかなか面白い存在。
今後もしばらくは見守っていきたい。

哲さんといっしょ
作品の全てを主人公のキャラクター描写に費やす。それ自体は別にいい。
けど49ページはやりすぎ。しかもそれだけかけたのに今一つ主人公の魅力が伝わってこない。
せめて主人公がチームメイトに慕われることになったエピソードとか挟んでくれたらなぁ。

ジンノ剣
最近トンと見なくなった感のある剣道マンガである。それだけでちょっと期待。
期待すると裏切られるのが常だが、これはなかなかいい感じ。絵・話共に及第点。
今すぐ本誌に読み切りで来ても大丈夫なんじゃないかと思わせる。キャラさえ立てば連載も射程内。
今回の新人作品の中では個人的ランキング3位。

WJ連載陣番外編四連発!!
シャーマンキング――何か絵が変。アシが描いてんのかと思った。
Mr.FULLSWING――水木しげる風〜。
ボボボーボ・ボーボボ――理解不能。
ライジング・インパクト――添い寝ッ!!

福来木町怪盗奇話
完成度ではジンノ剣に劣るが、期待値加算で個人的ランキング2位。
遠藤達哉に似ている。新人同士で被るというのは好ましくない事態なのだが、
両者共光るものがあるので、これはまあ互いに切磋琢磨して下さいとしか言いようがない。
この作品の内容としては、キャラ優ネタ良ストーリー可、設定は宝物が方々に眠っている町という
のは文句なく優。主人公の強さの秘密がミュータントだからってのは不可も不可。
遠藤達哉もそうなんだけど、不要な暗さが抜けると凄くよくなると思う。
絵はまだ良だが、伸びる予感。次作に期待。

MAN IN THE PICTURE
最近の赤マルに何故か必ずあるジョジョ系マンガ、その一。
絵の中に入る――メトロポリタン美術館(ミュージアム)ですか? などと心無い突っ込みを
入れてはいけない。ホラー描写なんかはかなり頑張っている。画力やコマ割りは今回の新人の中では
上位に位置する。キャラも悪くはないのだが、いかんせんネタが弱いか。
あと、中絶と書いて「おろす」と読ませるのはやめようよ。無頼男じゃないんだから。

余韻嫋嫋
カテゴリーエラー、というやつなのではないのか?
何であんたジャンプになんか投稿しちゃったのよ? 連載絶対取れないよ、自分でわかってるだろ?
編集部も編集部だよ、自分達に育てられない人材を抱え込んでどうしようっての?
……まあマンガ自体はいい雰囲気なんで、どこか別の場所で再会出来ることを祈ってます。

ペース・メーカー
馬が可愛い。こういう絵柄の競馬マンガというのは珍しいので存在価値はある。
最後の最後まで周囲の人間が主人公達をペース・メーカーとしか見ていないという構成は上手い。
これにより主人公が引き立つし、ストーリーもラストまで緊張感を失わない。
と、なかなかいい作品なのだが、どうも先(連載)が見えないということでランキングは4位。

GREADOKURO DEAD
最近の赤マルに何故か必ずあるジョジョ系マンガ、そのニ。
骨から肉体を復元する――ってちょっと前の赤マルで似たような設定のマンガを見たような気が。
内容も味方だと思ってた刑事が犯人だったとか主人公が二重人格だとか、いちいちデジャヴ。
つまらないわけじゃないんだけど、まだまだ発展途上ということでしょうかね。

DINOSOUL
栄えある俺ランキング第1位!
もろコロコロな絵柄、ツボを押さえたキャラクター、恐竜を操るというポケモンチックな設定、
どれもが充分連載に耐えうるレベルにある。基本的に低年齢向けだが、こういうのが一作くらい
本誌にあってもいいと思う。あとは年少層以外をある程度引き込めるかどうかが鍵。

はだしの教師
以前本誌に急遽掲載された作品の続編――というか、前作が急遽本誌に掲載されてしまったが為に
急遽書き下ろされた続編、であるように思う。
内容は、前作と変わりなし。比較的ストーリーがしっかりしているところが成長の証か。
しかし、根本的にはだしの教師のキャラが弱いと思うんだよなぁ。まだ連載には遠いようだ。