ジャンプ14号感想
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表紙

☆映画前作でも行われたコラボレーション表紙。
アニメとマンガが足並みを揃えられる状況は幸せだ。

アニ基地! 劇場版スペシャル

☆NARUTO劇場版の監督、岡村天斎なのかー。
エヴァでの演出やメダロット(魂でなく無印)の監督で有名。
最近では「WOLF’S RAIN」の監督。
個人的には「テイルズオブディスティニー」のOP演出が印象深い。
動きの魅力は保証付きの映画になりそう。

テニスの王子様

☆最後は結局、これまでのデータテニスや騙し合いは
何だったんだって感じに根性勝負。タイブレークで無茶なスコアに。
子供時代の光景と、現在の心境が重なり合う演出はよかった。
多少、わかりにくかったけど。あれは試合しているうちに
心が子供時代へ戻っていった、という表現も含まれているのか?

週刊少年ジャンプ15号予告

・三大新連載発表。

◎無敵鉄姫!!
「試作型」「超便利マシーン」「超便利ロボ」ときて、
ついに「姫」に!! 大出世だスピンちゃん!!
まあ単に超電磁ネタは何かとマズいってことなのかも知れないが。

遊☆戯☆王☆国

・劇場版全米公開決定!! けど日本国内での公開は未定……。
ああ……だからこういうのがあるから不安だったんだよ、
日本アニメのアメリカ進出って……。
さすがに日本で観られないって可能性はないだろうが、
媒体は劇場ではなくDVDになったりするかも。

ONE PIECE

「昔のクセで」「悪いコね……」
ゾロとサンジの回だが、こっちの二人の方が印象に残った。

NARUTO

☆キバ、川流れ。
こいつだけ敵倒せずに終わるのか?

☆君麻呂の骨剣、片腕使えなくなるので効率悪そうだが、
それが技と能力の不気味さを際立たせていて面白い。

アイシールド21

☆あれ? まもり姉ちゃんも一緒なの!?
てっきり一人帰国するものだと思っていたのに……。
せっかく仲間達がセナをアイシールド21だと知って
結束が強まっているのに、特訓の合間にいちいち
正体隠しを見せられるのは萎える。
息抜きのギャグ要素として残したんだろうけど、
特訓展開には邪魔なんじゃないかと。
それとも、まもり姉が正体を知る話を特訓中にやるのか?

ボボボーボ・ボーボボ

♪男共がよってたかって変態的手段で
女の子の胸をズキュンズキュンさせている!!
……とかいう不純な解釈はちと難しいか。

スティール・ボール・ラン

・ジョジョ第1部アニメ化決定。
OVA? CSで1クールってのもアリな気も。
「次回もこのチャンネルで、ふるえるぞハートッ!!」みたいな。

☆ポコロコの異常強運に、思索を巡らすジョニーとジャイロ。
ジョニーの考えは思いっきり誤解だが、ジャイロの考えは見逃せない。
強運も能力のうちなのか、それとも能力が強運を呼んでいるのか?

いちご100%

☆今回の話、もし南が作者にヒロインの一角として見られているなら
真中が南のよさに気付くとかイベント発生でドキドキとか、
そういう展開も充分あったと思うのだが、そういうの一切なし。
完全に西の噛ませ犬。
今の真中は西一直線で、南も北も、
東すら視野に入っていないように見える。

DEATH NOTE

☆運命の女神はライトに微笑み続けるのか。ライト、婚約者に接触。
ラストの表情、死神よりも死神らしい。
いや、死神より人間の方が恐ろしいというべきか。

☆ライトが夜の月の神。婚約者が照子。
……ツクヨミとアマテラス?
何かの暗示でもあるのか、単なるネーミングの統一なのか?

♪名前が判明して、顔つきも妙に可愛くなった気がするぞ照子さん。

BLEACH

◎自分で造り出した娘を虐待し、滅却師達を外道に葬り、
師を無残に改造した憎むべき仇に、石田雨竜の怒りが爆発する。
石田がまるで主人公みたいだ……!!
ここまで見事にシチュエーションが決まった以上、
あとはひたすらにカッコいい石田を見てみたい。

(読み切り)BULLET CATCHERS

・赤塚賞準入選、夏生尚読み切り。

☆「白い白馬から落馬」から、格段の画力アップ。
ただ現状では、ギャグにしては上手過ぎて、
シリアスには足りないという中途半端なレベル。まだ過渡期か。
ギャグ一つ一つは悪くないのだが、全体構成がこれまた
単発なのか連続なのかはっきりしない中途半端な作りで
作品の完成度を下げてしまっている。
技術的には高いので、ネタとキャラが揃うのを待ちたい。

Mr.FULLSWING

☆武軍戦が終わったので、息抜き回かな。
マネージャー三人組が久々に活躍しているが、
一番いいところは女装猿野に持っていかれるのはいつも通り。
この作品のメインヒロインは、やっぱ女装猿野なんだな。

HUNTER×HUNTER

◆わかりにくい……。
計算ではなく概念がわかりにくい。
オーラを数値したのは、禁じ手打ってきた感じもある。
オーラと念能力を巡るルール作りを天空闘技場から
延々とやってきたが、いよいよ最終段階に入ったのだろうか?

武装錬金

♪姉弟で擬似結婚式。
お母さん、そんな遊びさせてるから
今二人はアヤシイ世界に突入しちゃいましたよ……。

☆桜花の「相手の傷を自分に移す」能力は、
リスクのない単純な回復能力と違って
戦闘で色々と駆け引きを生みそうで興味深い。
ただ、二人に生き残ってもらわないと活かす機会がないが。

こちら葛飾区亀有公園前派出所

◆あれ? 両さんて誕生日の三月三日には
必ず嫌なことが起こるって恐れてなかったっけ?
もうこの辺の設定、アニメ版とも相俟って訳わからん。

銀魂

☆お登勢さんの青春。
さらっと流しているけど「お登勢は夜の名…いわば源氏名よ」ってことは、
団子屋をクビになったあと、色々あったってことなんだろうな……。
じいさんを憶えていたのも、単純にいい記憶ってわけでもないのだろう。
それでも五十年が経ち、様々に人生を重ねていくことで、
最期の最期に二人は何のわだかまりもなく再会することが出来た、と。
そう考えていくと、えらい深い話だな……深読みし過ぎなだけか?

遊☆戯☆王

♪ラスト(たぶん)ブラマジガール、召喚!!
今までで一番可愛いぞ!! 作者よくわかってる!!
「!」とびっくりしているのは遊戯が二人いるからか?
しかしラストなのに、師弟がやられて終わりなのは少し残念。

☆次号、センターカラー31P。
ということはほぼ間違いなく最終回かな。
あと二話ぶんで終わるのか、という疑問はあるが。

ごっちゃんです!!

☆個人戦、出るのはカチだけなのか。
ごっちゃん出るのかと思ってたのに。
カチと川島が決勝で当たって、新たな因縁が生まれるのか?

LIVE!!(終)

・十週打ち切り!!
☆完全に「BOY」の焼き直しであるこの作品を出すことに、
作者の中では相当の覚悟があったはずだ。
自分にある最も信頼する部分で勝負する。これがコケたら……。
そう、コケたらもう後はない。
「ソードブレイカー」のような野心作でコケたのとは訳が違う。
こうなった以上、梅澤春人には新天地を目指してもらいたい。
この「LIVE!!」という作品自体は悪い出来ではなかった。
現在のジャンプ読者層と合わなかっただけのことだ。
逆に、読者と合う場所でならまだまだやれることを
充分証明する作品になったとすら思う。
ともかくお疲れ様。前途に祝福がありますように。

ピューと吹く! ジャガー

「入ルのだ ホナウド教に入ルのダ!」
作者コメントによると、凄い楽しかったらしい前後編。
その飛び具合に読んでてバカ負けした。
やっぱりうすた京介は凄い……というか異常。
しかしこれ、ある程度マンガの「お約束」を知った
一定以上の年齢の読者じゃないと、受け入れにくいと思う。
これを描いてて楽しかったということは
そろそろうすた京介も、ジャンプのカラーに合わせるのが
辛くなってきているのかも……。

総評

・新連載が三つ。
今号でLIVEが終了。次号で恐らく遊戯王終了。
となるとあと一つ……銀魂、ヤバいのか……。

・しかし新連載、ゲドーとスピンちゃんは順当だが、
少年守護神は正直意外だった。
読み切りの出来はあまりよくなかったが、
設定をどこまで練り直してきてくれるのか。

青マルジャンプ感想

表紙

☆紙質のよさからして、読者ターゲットは
赤マルよりも上なんだろうな。
本誌や赤マルがカバーしきれないトンガった作品を扱うと共に、
そういう作品を求める読者の支持を得ようという戦略か。

藤崎竜 超特大2×2ポスター!!

◆でか過ぎるのも考えもの。というか、これ誰よ?

荒木飛呂彦ロングインタビュー

◎この人のインタビューは常に面白いが、今回も面白い。
内容をまとめようかとも思ったが、全部面白いんで無理だ。
「SBR」について特に重要な点だけ拾うと――

・中心はジャイロとジョニー。
・ジョニーの名前はジョナサンがベース。星型のアザもある。
・ポコロコは強敵。しかし悪ではない。
・ディオは石仮面がない世界のディオ。話にも絡む。
・アブドゥルは第3部のアブドゥルの先祖。けどサービスで出しただけ。
・ジャイロの能力は波紋に近い。つまり波紋ではない。
・一週間に31P描けるわけではないから、充電期間がいる。
・テーマは『運命』。

◎さすがに一週間で31P描いてるわけじゃなかったのね……。
しかし一番驚いたのは
「『ジョジョ』第9部くらいまではテーマを決めているんですよ。」
という発言。9部って……マジで一生ジョジョ描く気なんだな。

スティール・ボール・ラン 番外編

◎それは、スティール氏のファンタジー。
短い中に人生が凝縮されている。
素敵な御伽噺として、単体でも非常に面白い作品。

☆スティールと夫人は、未だにプラトニックな関係でいるように思う。
それにしても、夫人の父親、度量が大きいんだか何なんだか……。

いのちやどりしは

・原作:高野勇馬、作画:落合沙戸。
ストキンネーム部門で準キングを受賞した原作を、
赤マル2003春号で「あかねの纏」を発表した作者でマンガ化。

☆ヒカ碁系、といってしまってはミもフタもないのだが、
やはりそう言わざるを得ない作品ではある。
勿論、ネームのよさは準キングらしく折り紙付き。
読み切りというよりは、連載第一回の作り方だが
それでも完成度の高さに間違いはない。
ただ、この「文楽」という題材で連載をするのは非常に難しいと思う。
何故かというと、バトルがない。
ヒカ碁がジャンプマンガとして成立したのは
囲碁が「勝負」を根底に持っていたから。
もちろん文楽でも物語の流れで様々な対決を生み出すことは出来るだろう。
しかし題材の根底にそういうテーマがあるか否かというのは、思いの外大きい。
ジャンプでなければ可能性の大きい作品であるとは思うのだが……。

歌歌

・新人、角石俊輔作品。

☆荒々しさのある作画が最大の魅力。
妖怪退治ものにはぴったりの絵柄。
しかし内容がバトルに流れ過ぎなのが少し勿体ない。
この絵柄ならもっとホラー方向に振ってもよかった。
話にも唐突な部分が多く、それに伴いキャラにも一貫性がない。
ただ、定型に捕らわれない話作りをしているのは好感。
絵柄と共に話の方でも個性を伸ばせれば面白い存在になりそう。

ピアニカぼうや

・「余韻嫋嫋」で衝撃のデビューを果たした真波プー、待望の二作目。

◎「余韻嫋嫋」の感想にカテゴリーエラーと書いたが、
それはこの作品を読んでも強く感じた。
面白い。海外のアート系コミックの影響を受けたらしき作風は魅力的。
しかし、ジャンプに居場所があるのかというと別問題になってしまう。
この作品、極端に低い年齢層か高い年齢層じゃないと
楽しみ方がわからないんじゃないかと思う。
だが残念なことにジャンプは「少年誌」だ。その中間に当たる。
こういう作品が本誌に載る可能性は、限りなくゼロに近い。
が――。
ジャンプだからなぁ。時に信じられない無茶をして、
思いがけない鉱脈を掘り当てたりするのがジャンプの凄さ。
もしかしたら、もしかするかも。

デス学!!!

・「KING OR CURSE」で手塚賞準入選、
本誌でデビューした坂本裕次郎の二作目。

◎まず率直な感想を書く。無茶苦茶好きだこの作品。
粗は物凄く多い……というか粗だらけなのを
勢いでごまかし突っ走ってるという作品なのだが、
その勢いがたまらなくいい。
単純明快。痛快無比。
細かいことなどどうでもいいと思わせてくれる熱。
今のジャンプにこの単純さは貴重だと思う。

☆前作で最大の欠点だった、画面の未整理の問題はほぼクリア。
白ヌキのコマを多用していて非常に見やすい。
前作の欠点を克服して、武器に変えてくるとは相当な成長力。

◆唯一引っ掛かったのは、リンチされた生徒の描写。
女生徒でなくてもよかったんじゃないかと。
その辺りはやり過ぎると悪趣味になる。

生涯オヤジ道!

・楠優一郎作品。

◎ギャグセンスはかなりいい。技術的にも悪くない。
惜しむらくは基本的に一発ネタであり、
連載への発展性が望みにくいということか。
連載に耐え得るキャラ作りが今後の課題。

ホライズンエクスプレス

・今最注目の新人、中島諭宇樹三作目。

☆実験作という印象。
恐らく、駆け抜けていく列車のイメージを出す為であろう
ページをまたいでのコマ割り多用がその印象を強くする。
画面に広がりが出るなど面白い効果もあるが、基本的には見にくい。

☆最後に世界の秘密が明かされるという構成は「天上都市」と同じで、
高い演出力と相俟ってカタルシスは充分。
作者の持ち味は遺憾なく発揮されている。
しかし「人造人間ガロン」で克服されたかに見えた
キャラ立ちの弱さが復活してしまっている。
思うに、キャラを描きたいというより
世界観を表現したいという指向が強過ぎるのだろう。
キャラの為の世界ではなく、世界の為のキャラ描写になっている。
作家としてはそれもアリだが、ジャンプで連載を狙うなら問題。
「ガロン」ではそこを意識していたように思うのだが……。
急遽読み切りを依頼されて、以前から構想していた
世界観を元に描いた。しかし時間がなかったので
連載がどうとかについては頭が回らなかった、という感じか?

DEAD/UNDEAD

・赤マル2003冬号「獏」でデビュー、田中靖規二作目。

☆前作と比べると、作画の好感度――取っ付きやすさが大幅アップ。
シナリオにも大きな無理はない。キャラも主人公が弱い以外はよし。
連載に持っていきやすい設定を組んでいながら、
きちんと完結している辺りも非常に上手いと思う。
インパクトという点では前作に及ばないが、
その代わりに確実な技術と安定度を手に入れた。

THE DREAM

・「マンインザピクチャー」から二年半、荻野英貴作品。

☆デスノート+ウイングマンのドリームノートって感じがしてしまう。
設定段階で他作品を連想させてしまうのは痛い。
ホラー的な演出を随所に盛り込み、そういう雰囲気を作っていながら
ギャグでぶち壊してしまうのは勿体ないと思う。
伏線が露骨過ぎて犯人があっさりバレてしまうのも勿体ない。
技術はあるのに、細かいところでポカしている印象。

みえるひと

・ストキンマンガ部門準キング、岩代俊明作品。

◎読みやすい。キャラ、構成、展開など引っ掛かりはほとんどない。
決めシーンの演出も上手く、完成度は相当高い。
ただ、器用にまとまり過ぎていて物足りなさがあるのも事実。
話が「日常の中の小さな事件」であるのも物足りなさの一因。
基本能力には問題ないので、もう少し別の話も読んでみたい。

放蕩☆法師

・十二傑賞佳作、里谷竜希作品。

☆ジャンプ新人読み切りの定番に沿った内容。
基本は出来ているが、それ以上のセールスポイントには欠く。
だが、31Pで基本をしっかりやってみせているのは、
それだけでかなりの実力ではある。
こういう作者が二作目で突然化けたりするから侮れない……。

福輪術

・十二傑賞佳作、村瀬克俊作品。

☆キャラの顔など、細部で鈴木信也を連想させるが、アシなんだろうか?
短い時間の中で主人公の葛藤を描いていく作風は、
地味ながら味わい深く、また作者の想いも見えて面白い。
しかし、やはり地味であるのは問題。

総評

・あまり期待していなかったこともあって、非常に面白かった。
全体的な作品のレベルは、赤マルよりも上。
ただ、「変わった作品を描く作家を集めた」というほどには
赤マルとの差別化は出来ていない。
これからも定期発行されるなら、名前だけでないカラー分けが重要。

・今回、作品のレベルが高かったこともあって、
かなり「連載に向けて」ということを意識した感想になった。
上手いし面白いんだけど連載向きじゃない作品と、
欠点もあるんだけど連載で読んでみたいと思わせる作品とでは、
雑誌の性格上後者の方が評価されてしかるべきだと、個人的には思う。
なので今回、個人的一位は「デス学!!!」。
今回の話を十話くらいかけてやったら相当面白いんじゃないかと。
一方、中島諭宇樹は素晴らしいんだけど……連載という点ではどうなのか。
いや、しかし「ホライズンエクスプレス」が連載になったら
銀河鉄道999+銀河漂流バイファムみたいなノリで面白いかも……。