ジャンプ27号感想
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表紙

・ちょっと頭大きいような。
CG塗りは作者本人がやっているのか、
編集部お任せなのかどっちだろうか?

(新)D.Gray−man

・星野桂、新連載。

☆舞台は十九世紀。人の悲劇と魂を食らって動く悪性兵器、
「AKUMA」と戦うエクソシストの物語。
設定自体、新味があるわけではないが、最近のジャンプには
なかったタイプなのでそれなりに新鮮さはある。
容赦ないグロ描写も、貴重な個性として機能している。
作画は、前回読み切りから多少藤崎竜っぽさが抜けて、
よりガンガン系が強くなり、更に隠し味に小畑健を少々加えたような
非常にハイブリットな画風になっている。
オリジナリティは低いが目を惹く要素に富み、魅力は高い。
ただ、まだ細かい処理の部分で粗さが残っていたり、
積め込み過ぎて画面が観にくいという読み切り版からの欠点が、
改善し切れていなかったりと、問題点もある。

☆ダークな物語、世界観は魅力。
だがそこに読者を引き込む魅力的なキャラがいない。
キャラ立ってるのは星野作品レギュラーの千年伯爵くらいだ。
主人公アレンの魅力を早期に出せるかどうかが最大の問題か。

◆しかし何でこの人ここまで千年伯爵にこだわるんだろう?
世界観全部繋がってて、作者の中に壮大なサーガがあるんだろうか?

NARUTO

「…死んでる…」
えええ〜。あれだけ引っ張って君麻呂、こんなんで終わりかい。
結局、音の五人衆はサブキャラを活躍させる為の噛ませ犬に過ぎなかったのか。

☆ナルトとサスケの再会場所、凄いロケーションだなー。
ロードオブザリングにこんなんあったような気もするが。

ONE PIECE

☆船大工の街に到着。
何だか東の海時代を思い出す、懐かしい始まり方だ。
あまり長引かせず、あの頃のようなペースで
テンポよく話を進めて欲しい。

アイシールド21

☆雪光の青春。
話自体は非常にいい。シナリオにも破綻はない。
だが前提となる設定に「雪光が死の行軍をやり抜いた」という
無茶があるので、どうしても違和感が付きまとってくる。
死の行軍に耐えて普通のバスケ部員以下、
そんな奴がそもそも死の行軍に耐えたという矛盾。
リアリティーとハッタリのバランスがどこか変だ、この作品。

家庭教師ヒットマンREBORN!!

☆死ぬ気弾は、身体の当たった箇所によって効果が変わる。
さすがに死ぬ気弾だけでは話が続かないことを見越しての設定だろうが、
死ぬ気弾に対してジャンプ弾では、アイディアが弱過ぎるのではないか。
しかもこの作品のウリであったはずの「死んで生き返る」という設定を
完全に捨ててしまっている。死ぬ気弾にあったリスクもないみたいだし。
一気に毒気が消えて凡庸化したような気がするが、
まあ毒気が嫌いだった人には取っ付きやすくなったのかな。

銀魂

☆お姫様と神楽の友情。
もんの凄くベッタベタなお話だが、
それでもそれなりにセリフと構成で見せてしまうのが作者の実力。
これは決してセンスだけに頼ったものではない。技術的に上手い。

DEATH NOTE

☆これは……。
ライトの謎の笑みにより、事態は益々複雑怪奇な方向へ。
こりゃライトの仕業という可能性が飛躍的に高くなってきたかな。
Lに追い込みかけられたことで、手段を選ばなくなったってことか。
ライトなら刑事の名前もあらかじめ調べておけるだろうし、
パトカーの二人はデスノートで行動を操れば事足りる。
しかしどうしてもやり方にスマートさがないのが気になる。
偽物の方が話は面白くなりそうなんで、そっちを期待したいが……。

BLEACH

☆回想。
海燕さんは、何故かちょっと一護似。
これは二人が性質的に似ていることを示す演出なのか、
それとも霊的・遺伝的な関係性を示しているのか、どっちだろうか。
奥さんがいたってことは、息子がいたりしてもおかしくないしな……。
尸魂界と人間界の間の時間の歪みも伏線か?

こちら葛飾区亀有公園前派出所

☆もうパターン化している、偽旅行シリーズ。
今回は屋形船にプレハブ建てて豪華客船を装おうという設定で、
さすがに無理がある。カジノのおっさん達を大企業の会長だと言って
切り抜ける辺りは、無理を無茶で押し通していて面白かったけど。

ボボボーボ・ボーボボ

☆アフロ黄金郷の中に、つけものがいたのが何か嬉しい。
しかしあの状態で出てくるってことは、
もしかしてアイツ、密かにボーボボに食われたんじゃ……。

テニスの王子様

「意識的に『無我の境地』を扱えるとはな!!」
微妙に矛盾したこと言ってないか……?

☆風林火山。
ということは、スピード、柔軟、攻撃、待ち、の四種類だろうか。

Mr.FULLSWING

☆あの羽織り、あの鉢がね、黒撰高校という名前、
これだけ要素があったってのに、今回まで新撰組だと気付かなかった……。
しかしある意味、アイドルなんかよりよっぽど狙った設定だなー。

武装錬金

◎パピヨン、ご先祖様越え達成!!
嗚呼、パピヨンは本当にカッコいい奴になったなぁ。
方向性と性格が激しく歪んでいること以外は、
実に真っ当な少年マンガの主人公だ。
しかし腹ほとんど吹っ飛ばされて、一体どうやって
上半身を支えているんだろうか? 蝶パワーなのか?

☆終了一直線に見えた展開にも、パピヨンのおかげで光明が見えた。
王を倒したあとパピヨンがその身体を乗っ取って海外逃亡すればいいわけだ。

いちご100%

☆そういえば、天地といい感じになっていた北大路のこと、すっかり忘れてた。
まだ天地×北の可能性は消え切ってはいないようで、そこは安心。
それにしても、いくら北がやる気出しても展開の主導権は、
結局西や東や向のものになるんだなぁ……。どこまでも不憫な。

未確認少年ゲドー

☆これはどこまでギャグなのか。いや全編ギャグか。
何か独特の、妙に抜けた雰囲気で爆笑はしないが
ついついニヤケ笑いが出てしまうタイプの話。

シャーマンキング

「いったい何ベン死にゃ気が済むんだこいつはよ!」
いったい何ベン殺せば気は済むんだ作者は?
サイバイマンに自爆食らったヤムチャだって、
ここまで酷い扱いはされなかったぞ……。

☆十祭司のパワーアップは洗脳ソングによるものだそうで。
そんなんで強くなるならシャーマンファイトって一体何だったんだよ。

BLACK CAT

☆決着。
最後は霊丸から親子かめはめ波か。さすがだ……。
作画は力入っていたけど、ドラマ的には
やっぱり盛り上がりきらなかった印象。
つーか結局、セフィリア以下ナンバーズは何しに来たんだ?

少年守護神

☆完全刀、ときましたか……。
完全具足ってだけでもアレだったのに、
もうちょっとネーミング凝った方がいいよ絶対。

☆堂冶がいきなり仲間になってるのも意味不明。
やりたいことはわかるが、さすがに強引過ぎる。
さて、たぶんあと一話だろうけどまとまるのか?

無敵鉄姫スピンちゃん(終)

「11回転目[最終回転]」
ええええええええっ〜〜〜!? いきなりこっちかよ!!
これまで掲載位置、最下位はおろかワースト3にも入ってなかったのに。
いくら何でも唐突――というか、不可解。
もしかして何らかの外的要因があるんだろうか……。
考えられることといえば、第一話のビー○ネタか?
あれ自体は問題になるとは思えないが、
その後ビー○がヤバい付録付けて色々揉めたらしいからなぁ。
煽りを食ったって可能性もなくはないかも……。

☆まあ上の推測はあくまで邪推として、普通に考えるなら
やはりジャンプメイン層である年少読者受けが悪かったんだろう。
「幕張」の時代ならともかく、ジャンプの読者層が低年齢化している中では
パロディメインのギャグは難しかったのかも知れない。
いや……しかしむしろ初期はパロディ抑え目で、
パロディ全開になった後期の方がテンション高くて面白かったよな……。
初期のアンケートの悪さが打ち切りに繋がったのだとしたら、
下手な計算せずに持ち味であるパロディ全開で大暴走していた方が
もしかしたら受けはよかったのかも。今更後の祭りだが。
スピンの予想外のキャラ立ちの悪さも勿体なかった。
実力と魅力のある作者なので、早期の帰還を望みたい。

ピューと吹く! ジャガー

☆ジャガーさんの服の謎。
不思議と展開にある種の説得力を感じてしまった。
けどあの元の服はどこで大量購入してるんだろう?

目次&作者コメント

☆小畑健とうすた京介が、同時に澤井啓夫リスペクト表明。
そういえば「日経キャラクターズ」で茨木編集長もボーボボについて語っていた。
「僕なんかが読んでも正直ついていけない。」という発言が衝撃的だった……。
そうか、編集部も付いていけてなかったのか、と……。
しかしアンケートは非常によく(第一話はいきなりトップだったらしい)、
長期連載すると才能を枯らすギャグ作家が多い中で勢いの止まらない
澤井啓夫を「本誌において非常に価値がある」と最大限の評価をしていた。

総評

・日経キャラクターズの話から続いて。
編集長は「子供向けのギャグ作品」をもっと増やしたいのだそうな。
今回の新連載にリボーンとぷーやんが入ったのは、
ギャグテイストが強く、年少読者層を取り込める可能性があると
判断されたからなのかも知れない。
確かに今、人気作が長期化し過ぎていることもあって新規読者が
入りにくい雰囲気が出来ているから、そういう戦略は必要なんだろう。