ジャンプ28号感想
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表紙

☆主人公だけ見ると、ポップな色使いで結構いいなぁと思うが、
後ろのキャラに目が移っていくにつれ、段々と不安が増していくという……。

(新)地上最速青春卓球少年ぷーやん

・霧木凡ケン、新連載。

☆赤マル、本誌に掲載された読み切りとほぼ同様の設定――と思いきや
冒頭からいきなり「数秘術」とか言い出して大笑いしてしまった。
他にも巨乳ライダーなサクラ先生口調の巫女さんだの
様々なジャンルのエキスパートを集めたエリートヤンキーな生徒会だの
シッチャカメッチャカな新設定が多数登場。
これは連載の為に隠し玉にしていたのか、それとも緊急の変更なのか。
まあともかくとして、わかりやすい「協力者」と「敵」を
第一話で設定出来たのはシナリオ展開上プラスだとは思う。
数秘術も、単に計算の天才になるというよりはハッタリ効いてて面白い。

☆絵に関しては、やはり独特過ぎる人体デッサンに違和感大。
恐らくわざとやってるんだろうけど……この絵柄で
エロネタをウリにしようと考えるのが凄いというか無謀というか……。
しかし変にインパクトだけは溢れているので一概に悪いとも言えない。
構成は、ネーム詰め過ぎかつコマ運びに難があって読みにくい。
絵柄よりもむしろ、こっちの方を改善しないとこの先キツい。
個性ある作品なので、個人的には健闘を期待したいが、
この作品をジャンプの主読者層がどう受け取るのか、
正直まったく予想出来ない……。

NARUTO

☆魔道に堕ちてゆくサスケ、止めるナルト。
ついに来たかという昂揚感よりは、
ようやく来たかという安堵感の方が強い。
さて、あとはこの戦いがどういう決着を見るかだ。

ONE PIECE

◎水上都市のオモシロ施設の数々。
よく出来た観光案内のようで、観ていてわくわくする。
しかしこういうの観て、思い浮かべるのが実際の旅行の記憶ではなく、
「ああ、ドラクエで新しい街に着いた時みたいだ……」としか思えない
自分の人生の貧弱さがちょっと哀しい。

第12回ストーリーキング大募集!!

・今回から「作画部門・画王杯」という新部門が設立。
真倉翔のネームを応募者がそれぞれ作画するというもの。
これはまた非常に面白い企画。単に絵の上手さ綺麗さではなく、
ネームを読み取り独自に表現する能力を見ようというわけだ。
お題に使われる真倉翔のネームも、その辺りを意識してか
細かい描写を作画者の解釈に委ねる場面が多い。
ポイントとなるのは、「ハンバーガーや画鋲などの小道具の配置」、
「ラフなシーンの構図取り」、「ハーレムの女の子」、
「ギャグ描写の間の取り方」、「変身シーン」といったところかな。

D.Gray−man

☆師匠、エクソシスト本部、そして千年伯爵の登場と
いきなり設定を大量に出してきた。
二話目でこれはちょっと不親切かと思う。
アレンとゴーレムだけで一話やってからでもよかった。

☆第一話でも感じたのだが、「手」が白過ぎて
いまいち迫力が伝わってこない。

DEATH NOTE

◎やはりこの事件の黒幕は偽キラだった。
そしてライトとLの偽キラを巡る新たな駆け引きが始まる。
で、肝心の偽キラはというと……萌えか!? 萌えキャラなのか!?
何かラスト2ページで策謀とかどーでもよくなってしまったぞ。

☆Lが偽キラを断定するのがいささか早過ぎる気もする。
考えるに、Lはキラを最高の好敵手として、善悪は別として
最大限に評価しているのだろう。今回はその好敵手の行動として
あまりに相応しくなかったから、さっさと偽物だと見切りをつけたと。
要するに論理より先に趣味が立っているのではないか。

ボボボーボ・ボーボボ

☆変身皇帝に対する天の助の
「ファイティング苦学生」という表現は絶妙だと思った。
しかし何で口元が水木しげるチックなんだろ。

家庭教師ヒットマンREBORN!

☆なるほど、敵を倒すとファミリーが増えるという
ジャンプバトルマンガ展開を取り入れたわけね。
しかしこれは作品の方向性のブレを表わすようで不安でもある。
また、リボーンのキャラが立っていないうちから
こういう展開に突入していくのも立ち位置定まってない感じで不安。

アイシールド21

◎凡人の苦悩に喘ぐ桜庭。
天才と呼ばれる者に対する凡人の偽らざる魂の叫び。
そうだよなー、天才に努力されたらどうしようもないよなー。

☆凡人の努力という点で、前回の雪光の話と対になっている感じだが、
前回よりも感情移入度は遥かに高い。
読者に近いという意味では雪光の方が近い存在のはずなんだが、
何故か桜庭の方が親近感がある。
やはりハゲで軟弱な奴が頑張ってるより、
美形アイドルが泥まみれになって頑張ってる方に
人は応援をしてしまうものなんだろうか……?

銀魂

◎またしても少年誌とは思えないような
ド直球ド演歌な人情話。
今この時代にジャンプでこれをやって、
しかも何か受けてるってのが凄い。
もしかしたらこの作品、少年マンガの
新たな地平を何気に開拓しているのではあるまいか?

テニスの王子様

☆無敵の風林火山もあっさりコピー!!
うわー、覚醒リョーマ様さいこー。
…………これ、リョーマ圧勝のまま終わったりしないよな?
COOLドライブのこと、作者は憶えてくれているだろうか。

BLEACH

☆海燕、乗っ取られる。
これでルキアが泣きながら海燕を殺すという流れか。
しかしこの虚、強いな。
ここで倒されず逃げていたら、一護の母の仇と共に
尸魂界編以降の話に繋げられて面白そうだが。

いちご100%

♪ラストのコマの構図というかパンツの在り方に、
このマンガの揺るぎなさというか覚悟の高さというか
開き直りの凄まじさというか……ともかく真髄を見た。

☆もうちょっと深く考えると、このマンガにおいて
結局ヒロインとはパンツそのものなのかも知れない。
その奥にある本質を知りたいといくら願っても、いろんな意味で届かない。
このマンガにおけるパンツとは、性的なイメージと同時に
ヒロインの神秘性を表わすメタファーとしても機能している、と。
そう考えるとこのマンガのタイトルってよく出来てるのかも……。

Mr.FULLSWING

☆新撰組なのにバットは物干し竿なのか。
じゃあバット二本持って二刀流とか言う奴もいるのか?
あと、鉛巻きつけたバットって金属バットじゃないのか?

未確認少年ゲドー

☆ゲドーの妹登場。
そしてゲドーに村を救うという目的が与えられる。
大きな話が動き出した新展開。
しかしフェニックス探しって……火の鳥の影響か?

こちら葛飾区亀有公園前派出所

☆またもや大阪編。
そんなに大阪が気に入ってしまったのか……。
東日本と西日本の違いや、串カツ屋の描写などは結構為になった。

シャーマンキング

♪久々、メイデン様登場。
久々の拷問責めはなかなかいいものだ。

☆マルコのメガネはすっかり遺品扱いになってるが、
何か死んだところは確認してない感じだな。
ラキストを押さえて「行けーみんなー」とか言っただけなんじゃ?

BLACK CAT

☆クリード編、決着。
いきなりありきたりなクリードの過去が明かされたり、
サヤが虐待受けてたことが明かされたり、
セフィリアが改造手術受けてたことが明かされたり、
何かもう突っ込む気にもならない駄目構成っぷり。
ついでに冒頭の二人がハンターハンターの誰かに似てたり、
ゲートの向こうに消えていく二人が幽遊白書の誰かに似てたりもする。
そこも別に今更突っ込む気にもならないわけだが。

☆さて、次回センターカラーだが、最終回だろうか?
作者コメントが何か微妙なんで判断付きかねる。
やっぱりここは新展開になどせず、新連載に賭けるべきなんじゃないかと。
単行本最新刊の表紙見て思ったのだが、今の矢吹健太朗ならば
結構いい萌えマンガ描けるんじゃないかと思うんだよな。
セフィリア系の長女、キョウコ系の次女、イヴ系の三女の
三姉妹に囲まれた主人公がファンタジー世界で
ちょっとエッチなほのぼの大冒険を送る、
とかそんなんでいいんじゃないかと。

少年守護神(終)

・十一週打ち切り。

☆敗因は……と分析するのも躊躇われる。
最大の問題はこれは三回目の連載だってことだ。
成長してないどころか前作から退化したような部分まであり、
どうにも「次回作に期待したい」とは言いにくい状況。
さすがにもう戻ってこれないかなぁ……。

ピューと吹く! ジャガー

☆作者コメントによると何か追い詰められてたようだが、
確かに悪戦苦闘を感じさせる出来。
しかし、反則スレスレの技を使いながらも
きっちり面白く仕上げてる辺り、非凡なセンスだ。

総評

・新連載、出揃ったが即主力級のものはさすがになさそう。
「グレイマン」がどこまで育ち、「リボーン」と「ぷーやん」の
どちらがより意地を見せるか、といった感じか。
片や「リボーン」は他誌からの覚悟の移籍、
片や「ぷーやん」は下積み生活十数年、
どちらもこのチャンスは逃がせまい。